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Alteilの爆弾及び無課金青その他についてつらつらと。 知人にだけ通用すれば良いかなとか言う割と閉鎖的な日記

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 ぴしぴしと音を立て、タマゴにヒビが入っていく。
 命の誕生はいつだって尊い。タマゴとして生まれ、孵化するその時までを抱かれて過ごし、そうして周りからの愛情に包まれた状況でタマゴを出る。

 ウツギのおっさんから貰ったタマゴは、こうしてレベル1のトゲピーへと姿を変えた。

 見た目そのまま「ぎざ頭」と名付けたそいつを、僕は速攻で預かりシステムに放り込んだ。森に入ってすぐにタマゴが割れたのでいきなり街に引き返す事になった。出鼻を挫かれたようで少し気分が悪い。
 まぁ気を取り直して。

 ウバメの森には神が住む。森の入り口に居たお婆さんはそう言っていた。その言葉通りなのか何なのか、森の真ん中には何かを祀った神棚のようなものが存在していた。こういうのにありがちな賽銭箱なんかは見られない。食べ物が備えられていた形跡が残っているが、大方そこらの虫ポケモンに食われた跡だろう。そして他には何も無かった。あまりにも素っ気無い。
 金の葉っぱと銀の葉っぱをもってここに立つと、時を越えて伝説のポケモンが現れる…そんなおとぎ話を小さい頃に聞いた記憶がある。当時はそんな噂が流れるほど思わせぶりな雰囲気が漂っていたのだろうが、現代のここには「そんなものはただのデマだ」と良い切れてしまう、そんな小奇麗さが感じられた。これも時代の流れとかそういう奴だろう。

 オタチが居合い切りで拓いた道を進み、ウバメの森を無事通過した。季節柄足元には落ち葉が積もっており、カルラはそれを踏むのがいたく気に入ったらしい。とても上機嫌だ。だからといってこちらの命令を素直に聞いてくれるわけでもないが、こちらに噛み付こうとしないのは精神的に助かる。

 最近はカルラが言う事を聞かないのも余裕を持って見れるようになってきた。自傷の頻度が大幅に減り、こちらの言う事を聞いてくれる回数が増えたというのが恐らく大きな理由だと思う。バッジの効果によるものか、僕に慣れてくれたのが原因か。定かでは無いが、目の前の敵を倒すという共通の目的に対して、僕とカルラは争わないようになってきていた。「クチート」ではなく「カルラ」と呼ぶようになったのも大きな変化の一つではないだろうか。呼んだところでそっぽを向かれたりもするが、とにかく無視はされなくなった。
 これを歩み寄りと見るか迎合と見るかは、トレーナーとして難しい所だ。今まで見てきたトレーナーというのは自分のポケモンにきっちりと命令を行い、ポケモンはそれに従って動くというものばかりだった。僕は間違った道を進んでいるのかも知れない、そう思うとやっぱり少しだけ焦る。

 ウバメの森を抜けた先には、小さな牧場みたいな変わった建物があった。近くに居たトレーナー(カルラが噛み砕いて全滅させた)に話を聞くと、そこでは老夫婦が「育て屋」というのを営んでいるらしい。話を聞く限りカルラには関係無さそうなので素通りしようとしたが、丁度育て屋から出てきた女の子に声をかけられて足を止めた。

 マリルを連れ歩いているその子は、僕と同じワカバタウンに住んでいるコトネだ。ウツギのおっさんにお使いを頼まれたりした辺りでもちょこちょこ顔は合わせている。聞いてもいないのに色々と教えてくれる変な子だったが、今回も半ば強引に育て屋の仕組みについて説明されてしまった。おせっかいな、と思ったがここの老夫婦はコトネの祖父母だという。おせっかいではなく営業の間違いだったようだ。

 ここにポケモンを預ければ、後は勝手にここの祖父母が育てておいてくれるらしい。そんな話を聞いて、僕は思わず傍らのカルラを見る。誰かに育ててもらったポケモン。その上にいくら育て屋でレベルを上げようと、元の持ち主の命令にはちゃんと従うらしい。
 なんとも、よくわからない。強いトレーナーというのは、自らと共に成長してきたポケモンを使い、勝ちあがっていくというイメージがあったのだが。

 そういう話を聞こうと思ったが、やはりカルラを見てやめた。その話を進めると、結局自分が邪道だという結論に至りそうな感じがしたからだ。僕がカルラを受け取ったのは、平たく言えば勝つため。強くなりたいという願いも勿論あるが、それは望んではいけないのかも知れない。それに…今更あのヒノアラシを受け取って、一からやり直すなんて御免だ。そう考えているのも事実だから。

 別れ際に、コトネとポケギアの番号を交換した。ここには記していなかったと思うが、ポケギアは電話にも使える。多分これを落としたら生きていけない現代人は結構居るんじゃなかろうか。育て屋夫妻の番号ももらい、付き合いとしてポケウォーカーで捕って来たウパーとホーホーを預けた。料金は受け取る時の後払いで良いらしい。良心的だ。

 受付用の書類を書き終わると、隣にカルラが居なかった。…一体何処へ。慌てて辺りを見回していると、育て屋のお婆さんが、カルラがコトネの後を追っていったのを見たという。
 見てたんなら止めてくれ。そう思いながら、僕はカルラの姿を探してコガネシティの方へと向かった。そういえばカルラは彼女の連れていたマリルと仲が良さそうだった。まさかそれでか?

 街は思ったより近い、というかすぐそこだった。 このページのトップへ

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